やれやれ、『ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編』を読んだので感想を書くか。
私がアドラー心理学をもう少し学ぼうと本屋へ寄った際、ヘッドフォンからはRADIOHEADの『High & Dry』が流れていた。トム・ヨークの詩を口ずさみつつ目的の本を探すが、どうやら新品しか置いていないようだ。「やれやれ、嫌われる勇気の中古本は無いのか。」 後でAmazonで購入すればいいかと帰りかけた私の目にふと入ったのがこちら本。小説を読むのは久しぶりな気がする。僕はコンビニでアダルト雑誌を買う高校生のような気分でレジへ向かった。あるいは。
ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編
- 著者
- 村上春樹
- 出版
- 新潮社
- 発行
- 1994年(日本)
会社を辞めて日々家事を営む「僕」と、雑誌編集者として働く妻「クミコ」の結婚生活は、それなりに平穏に過ぎていた。しかし、飼っていた猫の失跡をきっか けにバランスが少しずつ狂い始め、ある日クミコは僕に何も言わずに姿を消してしまう。僕は奇妙な人々との邂逅を経ながら、やがてクミコの失踪の裏に、彼女 の兄「綿谷ノボル」の存在があることを突き止めていく。 (Wikipediaより)
村上春樹の8作目の長編小説の第1部。全3部に分かれてる。
第1部では妻「クミコ」は失踪しないので、Wikipediaでネタバレされてしまった。
村上春樹と私
村上春樹の小説を読むのは『ノルウェイの森』以来2作目。(『女のいない男たち』という短編集は途中まで読んでる。)
ハルキストとまではいかないけど、彼の独特の言い回しとか、比喩表現とか結構好きです。村上春樹風な喋り方でごっこ遊びしたら楽しいですよ。
そんな彼の作品をもっと知ろうということで、この本を選んでみました。
読み始めたのはちょうど熊本地震の頃だったな。
そしてカフェでレディへ聴きながら村上春樹読んでる俺キモいなう。
— 84 a.k.a. B.B.bypass (@getup84) 2016年4月15日
感想
まず出だしでいきなりスパゲティー作りながら音楽聴いてる。めっちゃお洒落ー!!(笑)
そして変な女から電話がかかってきて会話するシーン。もう村上春樹節炸裂で爆笑させていただきました。(決して馬鹿にしてる訳ではない)
特にストーリーというストーリーはないし、淡々と物語は進んでいきますが、どこか奇妙で、不穏な感じがある本だと思いました。世にも奇妙な物語みたいな。
話に起伏がないせいか面白くはないけど、どこか面白い。すごくサクサク読めるし、次の展開が気になる。
ここが村上春樹の良いところで、文章のテンポがすごくいい気がします。するするーっと頭に文字が入ってくる。
後半の戦争の話はなかなかショッキングで、村上春樹っぽくない気がしましたが(村上春樹の何を知ってるわけでもないけど)、まぁ面白かったのでよしとします。
電話の女はいったい何なのか? クミコが失踪ってどういうこと? 本田さんの遺品の意味とは? 気になる展開満載なので、さっさと第2部読もうと思います。
では。